環境講演会 聴講ワンポイントメモ
熱帯雨林の現状と未来
日時
&場所
2001年3月25日・
愛媛県総合科学博物館「地球環境セミナー」より
講師
二宮生夫(愛媛大学農学部助教授
)
メモ
熱帯雨林の特徴
(1)植物の量が多い(巨大バイオマス)
(照葉樹林:約300トン/ha、熱帯雨林:500トン/ha)
(2)種類が多い(高い生物多様性)
(石鎚:数10種類/ha、照葉樹林:100〜200種類/ha、熱帯雨林:約1000種類/ha)
温暖化防止の観点で、森林による「CO2の固定」についてだけ
考えれば熱帯雨林と温帯林では大きな差はない。とりわけ
熱帯雨林の価値は「高い生物多様性」にある。
熱帯林は一度、無くなると回復させるのが難しい。
理由1.
熱帯では植物の成長が遅い。
(熱帯では植物の呼吸が激しく、植物成長の源=CO2が植物の体から
出て行ってしまうため)
理由2.
熱帯では土壌が貧弱。強い降雨で土壌が流されやすい。
(微生物がすぐ分解してしまうため、落ち葉が少ない)
(熱帯と亜寒帯の森林で、蓄えるCO2の総量はあまり変わらないが、
熱帯では主に木の中に、亜寒帯では主に土の中に蓄えられる)
愛媛大学農学部では熱帯林生態系修復の試みを行っている。
【聴講して・・・】
熱帯では樹木は「暖かいからすぐ育つだろう」と漠然と考えていましたが、
「植物の成長が遅い」「土壌が貧弱」というのは驚きでした。
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